復職や再発予防の決め手は、「やる気」や「スキル」よりも○○が超大事!
厚労省が発表した「労働安全衛生調査」(平成30年)によると、およそ24万人の労働者が連続1ヶ月以上の休業(休職)を経験しています。
さらに、復職後4年内のメンタルヘルス不調による休職者の累積再病休率は47.1%という調査もあり、再発率の高さもうがえます。
この様な状況下で起こっていることは、「受診した方が良いのか」といった初診に至るまでの判断、このまま休んでいるだけで良いのか?といった休職中の過ごし方、主治医から復職許可が下りたけど「本当に復職しても大丈夫なのか?」といった復職前の判断が悩めるポイントになってくると思います。
特に、「このまま、復職して大丈夫なのか?」といった心配ごとに対する回答がないので、復職や再就職のポイントをお伝えしていこうと思います。
どうして復職の日が近づくと落ち着かなくなるのか
- 復職面談の後から体調が悪くなっています
- このまま、復職したら「やばいんちゃうかな」
- 目が覚めるのも早いし、熟眠感もないのに、復職許可がおりた
上記のような心配ごとを、復職する前の休職者の方々は口にされることが多いです。
もちろん、中には心配することもなく「やっと復職できるか」と復職を迎える方もおられます。
ここで一つポイントになるのが、「残遺症状」です。
残遺症状とは
仕事や日常生活を問題なく送ることはできるほどに症状が改善しているものの、全ての症状が完全に消えない、なかなか良くならないことを残遺症状と呼びます。
以下が、よくみられる残遺症状になります。
- 不眠
- 認知機能障害
- 抑うつ気分(悲しい気持ち)
- 集中力/決断力の低下
- 不安
特に、睡眠や気分に関する症状は最後まで残りやすいと言われています。
眠れていない感じや気持ちが上がりづらいなどは、相談としても良くお聞きする内容です。
そのため、全ての症状が改善されてから、やる気が出るまで待ってから等で復職するかどうか判断することはあまりおススメしていないです。
全ての症状の改善を待つ、やる気が出てくるまで待つとなると、復帰時期が予想できないため、やる気等を頼りにせず進めていく必要があります。
復職や再発予防では、「習慣」が超大事になってきます。
治療をしていく上でも大事だと言われているのが、食事、睡眠、運動です。これも健康的な生活習慣であれば、病気になりにくいといった特徴があります。
服薬治療と並行して、生活習慣を改善していくことは、うつや適応障害等といった精神疾患でも重要な要素になってきます。
習慣のすゝめ
うつや適応障害等で休職すると、まずは治療のための療養が必要となります。
仕事や学業など活動していた生活スタイルから、出来る限りストレスを軽減した生活を送ることを余儀なくされます。
実は、ここが復職や再就職などを難しくさせているポイントでもあります。
休養のための生活「習慣」になっているので、それを仕事するための生活「習慣」に戻していく必要があり、それには1週間や10日程度で戻るものでもないからです。
また、健康的な行動も意識して習慣化させる必要がでてきます。
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ここでは、習慣化させるためのポイントをお伝えしておきます。
リワーク等ではなく、独力で実施している方の参考にして頂ければと思います。
習慣化させるためのポイント
みなさんもご存じの通り、習慣になっていれば苦労はしない訳です。復職や職場復帰を失敗させないためには、いつもと同じことをしない、無理しないことが重要です。
アスリートでいうところの「ルーティーン」ですね。
明日が「復職日」でも、「産業医の面談」でも、「就活の面談」でも変わらず、健康的な生活習慣を身につけておけば、意識しなくても望むことができます。
習慣が良ければ悩む必要はないかもしれませんが、悪ければ「大丈夫かな」となってしまいます。
良くも悪くも習慣を変えるには、労力が必要になります。 それには、変化しようとすることに対して、ヒトは抵抗してしまうからだと言われています。
それは、「現状維持バイアス」や「コンフォートゾーン」といった概念が分かりやすいのではないでしょうか?
ヒトがストレスなく過ごせるのがコンフォートゾーンと言われています。安心や安全といったものです。
しかし、安心や安全な状態というのは、「出来ること」や「知っていること」、「変わらないこと」が中心です。
「このままでは良くない」と思って、変わろうとする時にやってくるのが「現状維持バイアス」になります。自分の中で「このままで良いやん」と変わるのを阻止してきます。
やみくもに、変わろうと動いても徒労に終わることもあります。なので、みなさんには「SMARTの法則」を活用して習慣を変えていってもらえたらと思います。
SMARTの法則を活用
SMARTの法則とは、5つの基準にそって目標を立てる目標設定手法です。
5つの基準を表す英単語の頭文字をとって、SMARTと呼ばれます。
- Specific(具体的な) :目標が具体的か
- Measurable(測定可能な) :達成度を測れる目標か
- Achievable(実現可能な) :達成可能な目標か
- Relevant(関連した) :目標の達成が自分の利益につながるか
- Time-bound(期限を定めた):期限が設定されている目標か
それぞれの基準を簡単にご紹介します。
Specific : 目標が具体的かどうか
まず、目標を設定する上で重要なことは「具体的かどうか」になります。
具体的をもっと定義すると、「誰が聞いても同じ認識を持てるほど明確」になっているかということです。
例えば、「生活リズムをととのえよう」と考えたとします。
しかし、これではととのった状態がわかりません。具体的にすると、以下のようなことが考えられるかもしれません。
- 23時までには寝るようにしよう
- 毎朝、7時までに起きて身支度をすませておこう
など、具体的に設定してみるようにします。
Measurable : 達成度を測ることが可能かどうか
行動した結果を確認して達成しているかどうかの指標を設定します。
せっかく行動したのに、その行動は良かったのか悪かったのかを評価することはできません。
そのため、1ヶ月後に80%出来てたら、「達成」としよう等の基準を設定していきます。
Achievable : 達成可能な目標かどうか
達成可能かどうかを、自身で設定していく際は経験が必要になってきます。
目標が遠すぎると、モチベーションの低下につながります。
かといって、簡単すぎる目標にしてしまうと習慣化せずにダラケてしまう可能性もあります。
最初のうちは、思うように設定してみて、やりながら少し上のレベルの目標を設定するようにしてみてください。
Relevant : 目標の達成が自分の目的につながっているかどうか
これは、何のためにやっているのかが自分自身で説明できると目的に繋がっているといえます。
目標というのは、目的を達成するための指標の1つにすぎません。
- 達成すれば、自分にご褒美を買う
- 我慢していた旅行に行く
など、達成することで得られるものを考えておくことで、継続するためのモチベーションにもつながってきます。
Time-bound : 期限が設定されているかどうか
いつまでに達成するのかといった「期限」を確認する必要があります。
期限がない目標は、行動に移すまでに時間がかかったり、先延ばししたりといった行動に繋がります。
期限を決めることで、程よくプレッシャーになり集中力が高まるようになります。
まとめ
ヒトが意識している割合は「4%」と言われており、残っている96%は「無意識」=「習慣」と言われています。
つまり、ほとんど「習慣」で活動しています。
いくら、意識して変えようとしても気づいたら「いつもの習慣」に戻っているということはすくなくありません。
そのため、休職期間中などで身に付いた習慣は、働いたら戻る可能性もありますが、再発のためにはその様な可能性に期待せずに、
再発を起こさない習慣を休職期間中に備えておくことが重要です。
一方で、1人で治療に望んだり、習慣を変えようと行動する際には労力がかかります。
再発せずに復職、再就職をしたいと考えている方は「リワーク」支援を受けることをオススメいたします。
まずは、主治医とよく相談をされてみてください。
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