コラム

休職するだけで良いのか・・・再発予防のリワークプログラムとは

精神疾患を抱える方々の人数は約420万人(H29年度の厚生労働省調査より)となっています。そのうち、気分障害やストレス関連性障害を抱える人は219万人おり、半数以上の方がうつ症状等で悩まれている現状があります。

 

このような現状からも、精神疾患を抱える方々と接する機会または一緒に働く機会が増えてきているのではないでしょうか?

 

厚労省のH30年の労働調査によると、「過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した者」は、100人の従業員を超える事業所になってくると4割以上の事業所が該当してくる結果となっています。

 

この結果は、病院やクリニック等の医療機関と本人だけで乗り越えていける問題ではなく、家庭以外の社会の場である職場も一緒にメンタルヘルス対策に取り組むための準備をしておく必要があると考えています。

 

メンタルヘルス対策の現状

この調査では同じく、メンタルヘルス対策の取組を実施している事業所の結果もあり、取り組んでいる事業所は全体の6割ほどです。

 

その中でも、取り組みで最も多い内容が「メンタルヘルス対策に関する労働者へのの教育研修、情報提供」です。セルフケアやラインケアの研修を行っている事業所は多いのではないでしょうか?

 

一方で、あまり取り組めていない内容は「メンタルヘルス対策に関する事業所内の産業保健スタッフへの教育研修・情報提供」、「メンタルヘルス対策に関する問題点を解決するための計画の策定と実施」で1~2割ほどです。

 

キーパーソンとなるスタッフの研修や事業所で行う対策についての具体的な計画ができていないということです。

 

情報提供や研修といった必要最小限の取り組みから、事業所で行えるメンタルヘルス対策に力を入れられていない現状とも考えられます。

 

最近では、2015年にストレスチェック制度が義務化、精神面での安全配慮義務など事業所が担う責任は大きくなってきています。

 

しかし、H29年の労働調査の結果からもわかるように、休職者が存在している状況で対応に苦慮されている担当者や管理者が存在することも忘れてはいけないと思います。

 

メンタルヘルス対策の一つに職場復帰支援または復職支援といった休職していた方が職場に戻られるための支援があります。

 

気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーションを実施する機関で行われているプログラムをリワークと呼ぶことがあります。

リワーク(return to work)

復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。

 

以下、うつ病リワーク協会より一部引用

『プログラムに応じて決まった時間に施設へ通うことで会社へ通勤することを想定した訓練となります。また仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、復職後にうつ病を再発しないための疾病教育や認知行動療法などの心理療法が行われます。また、初期には久しぶりの集団生活になれるための軽スポーツやレクレーションが行われることがあります。プログラムの途中では、休職になった時の働き方や考え方を振り返ることで休職に至った要因を確認するとともに復職した時に同じ状況(休職)にならないための準備もしていきます。
1人で復職に向けてリハビリを行うときに不安を感じる場合は、主治医に相談してリワークプログラムを紹介してもらうとよいでしょう。』

なぜ、リワークプログラムが必要なのか?

1人で症状や不安と向き合いながら、生活を続けることは一筋縄ではいかないものです。「より良い生活のために」、「再発をしないように」といった今後に向けた準備をしていくことが大切です。

 

不調の時に休養すること、休むことをすることは重要ですが、それだけでは十分ではないこともあります。

 

リワークプログラムでは、リハビリでもあるので職場に戻る際の気持ちや戻った後に働き続けるという行動に違いが見られます。

 

mentalfitでは、復職支援以外にも社会復帰支援といった方々にも効果がみられるようなプログラムを提供しています。

 

mentalfitが、一歩踏み込んだメンタルヘルス対策をしたい事業所やリワークプログラムを受けたいと考えておられる方のサポートができる環境を広げていける一助になればと日々活動しています。