コラム

復職を目指している方が実践すると良い主治医との付き合い方

みなさんは、病院に行った経験はありますか?

おそらく、ほとんどの人が病院に行ったことがあると思います。風邪をひいたり、ケガをしたり、健康診断のために行ったりと様々な目的で通院した経験があるのではないでしょうか?

 

軽い症状やケガなど、耳にすることが多いものだとそれほど、気に病むことは少ないかもしれません。例えば、2,3日休めば回復する、症状を抑える薬を飲めば治まるなど・・・

 

しかし、予期しない病気が見つかった時はどうでしょうか?

 

  • 聞いたことない病名
  • うつ病を告げられた
  • ストレスが原因で起こっている

 

と言われた場合はどのような心境になって、どうしていきますか?

 

この記事では、主にうつ病などの精神疾患で心療内科・精神科へ通院している方向けに考えていきたいと思います。

 

 

早速ですが、あなたはご自身の症状や病気についてどの程度把握できていますか?

 

数値や検査などだけではわかりにくいうつ病ではありますが、ご自身でも理解するまでに時間がかかり症状と付き合っていくにはさらに試行錯誤が必要です。

 

症状を伝えられていますか?

うつ病等の精神疾患では、治療は薬物療法、精神療法(カウンセリングなど)、休養(休学、休職など)の選択肢が多くなってきます。服薬治療は、患者さんからの情報を基に薬の量を調整することになります。

 

  • 薬を飲んでどんな風になったのか?
  • どんな副作用が現れたのか?
  • どんな症状が辛かったのか?
  • 日常生活にどのような支障があるのか?

 

など、ご自身で主治医に上記の内容を伝えることが治療を改善していくポイントになってきます。

 

しかし、主治医に話さず薬をもらうだけの診療になってしまっている方がよく見受けられます。

 

なぜ、そのようなことになっているのか以下の可能性が考えられます。

 

  • 現状や病気を受け入れていない
  • 自身の現状や病気に無関心である

 

現状や病気を受け入れられていない

診断された当初は、まだよく分からない状況で戸惑いも多いと思います。そのため、主治医からの情報や話だけで理解を深めようとされている方も多くいらっしゃいます。

 

中には、「まさか、自分がうつ病だなんて・・・」と思い、病気であることを受け止められない、もしくは受け止められなかった方もおられます。

 

どんなことでも、事実を受け入れるまでには、一定の時間がかかります。それは自分が予想していなかった出来事であればあるほど尚更です。

 

スイスの精神科医キューブラ・ロスは「死」を受け入れるまでには5つの段階を経ると言われています。

 

それは、「否認→怒り→取引→抑うつ→受容」と段階を経て、受容するようになっています。

 

この様なことからも、予想していなかった方にとっては、受け止めるまでに時間を要します。

 

この場合は、自分の思いや経緯、今後のことなど気持ちの整理を行うことが必要でしょう。そのためには、信頼のできる人(家族、友人など)に頼ることが有効ではないでしょうか?

 

もちろん、相談機関や臨床心理士などの専門家に相談することも視野に入れると良いでしょう。

 

自身の現状や病気に無関心である

「よく分からない」、「とりあえず言われた通りにしている」といったような無関心な場合があります。服薬をしておけば良い、時間が経つのを待つなど消極的な姿勢で治療に臨んでいる場合があります。

 

改善していくためには、自分自身でしっかりと症状や不安に感じていることなど主治医と相談できるようにしておくこと変化の第一歩になります。

 

そして、治療方針についても確認しておくことをオススメしておきます。

 

例えば、身体的なケガをした場合、

  • 手術は必要なのか?
  • 必要であればどのような手術を行うのか?
  • その後は、リハビリが必要か?
  • 元の状態に戻るのか?等

 

おそらく、聞くことは多いでしょう。

 

しかし一方で、うつ病などの精神疾患ともなると途端に、

  • どの様な治療方針で進めていくのか?
  • どの様な治療方法があるのか?等

 

詳しく聞かれる方は少ないようです。特徴として、そこまで判断できなかった、聞いているだけで精一杯だった、ということはあるかもしれません。

 

自分で考えられるようになり、話をする余裕ができてきた場合は、是非、主治医に治療方針や今後の見通しなど聞いておくと良いでしょう。

 

休養するだけで大丈夫?

ただ単に服薬をしておく、時間が過ぎるのを待つといった休養することも症状が強い時期は必要なことです。

 

 

症状が収まっても同じように過ごすことは「職場復帰すること」、「安定した日常生活を送る」上では、不十分であることがあります。

 

 

症状が安定することがうつ病などの精神疾患のゴールではなく、その後の自分の生活、働き続けることを考えた時には、主治医ともしっかりと継続した治療を行う関係性を作ることも考えなければいけないのではないでしょうか?

 

主治医との関係作り

主治医と関係性はどんなことに影響があるのでしょうか?

 

以下のような2つのポイントがあります。

 

  • 症状が収まるまでの期間
  • 自分が納得して治療を続ける

 

症状が収まるまでの期間

何でも話せる主治医との間柄が、そのままお薬を飲み続ける積極的な姿勢に結びついていけばそれは治療上大変よいことでしょう。

 

もし、患者さんがお薬を飲み続けられないのであれば、主治医はその理由を知りたいと思っています。

 

なぜならお薬を飲み続けることが、うつ病(症状)が治るまでの期間に影響することがあるからです。

 

自分が納得して治療を続ける

うつ病の治療だけでなく多くの病気の治療は以前と違い、医師からの指示だけで進められるものではなくなっています。

 

最近では、医師からの説明を患者さんが聞いて、納得したうえで治療が進められることが重要だと考えられるようになってきました。

 

医師の説明を受け、わからないところは確認し、納得したうえで治療していきましょう。

 

本当に心から納得して「治そう」という気持ちで、医師と一緒に治療を進めていくという方法が、「あせらず、ゆっくり、自分から」治療に取り組むことの基本になっています。

 

関係性を築くのが難しいという人は・・

今現在、主治医とは

 

  • そんな話をしていない
  • 話を聴いてくれる感じではない
  • 聴いているのに思ったような答えが返ってこない

 

と思われる方は、セカンドオピニオンも視野に入れてみてはいかがでしょうか?

 

 

自分の症状や今後の生活に対してご自身も向き合うことが治療や職場復帰への近道となりますので、ぜひ取り組んでみてください。