障害者手帳のアプリ化~利用者の心理的ハードルは下がるのか?~
うつや適応障害、統合失調症など精神疾患を抱えた方々を支援している人に取ったら、ご存知の「障害者手帳」ですが、どうやらアプリ化しているようです。
その名も「mirairo」とのことです。
詳細はコチラ ⇒ https://mirairo-id.jp/
ご存知ない方にしたら、あまりピンとこない情報かもしれませんが、当事者やご家族の方はもちろん、医療関係者、障がい福祉関係者であれば気になる情報です。
この障害者手帳の「アプリ化」を知ってから、1人で「そんな時代になってきたのか」と時代の変化を感じ、「利用している人にとって、便利になるのではないか」と勝手に期待しております。ただ、実際に使用している方の使用感や心理的な負担などは分からないなぁと思いました。
そこで、復職支援施設であるmentalfitを利用している方で手帳をお持ちの数名に「障害者手帳のあるある」を聞かせてもらいました。
その中で、実際に「障害者手帳アプリmirairo」を使用している方もいたので、その感想も聞かせてもらいました。
「障害者手帳」のあるある
実際に、手帳を取得して使用している方々は、以下のようなことを感じているようです。
- 友人や恋人の前で定時することに抵抗がある
- 手帳を見せる場面があまりない
- 提示を求められるときに、鞄から取り出すのが面倒くさい
- そもそも持ち歩くことを忘れることがある
- どこで、割引が使えるのかよく分からない
- アプリを見せても「本物を見せてください」と言われ、浸透していない
- アプリにクーポンが届くのは便利
頻繁に使うわけではないものの、いざ見せるとなると面倒くささや友人や恋人に見られるなどの心理的な抵抗感があるようです。
補足として、手帳用の写真を撮影するとき、「化粧をばっちりするのは、良くないのでは?」と気にする女性は多いようです。
Twitterでも、期待の声がある一方で、認知度、普及しているのか?といった周囲への課題が残っているという状況です。
障害者手帳を使用する方の抵抗感
障害者手帳には、「身体」、「精神」、「療育」と3種類あります。手帳の名前も自治体によって、様々な名称を付けられているようです。
精神や療育などは、分かりづらい特性がありますので、障がい知識が追い付いていない会社やそのサービス提供者の方にとっては障害者手帳は分かりやすい説明材料になるのではないでしょうか?
一方で、手帳を「取得する」「見せる」という行為は、簡単なようですが心理的には抵抗感がある方も多いです。
まだ、自分の障がいや特性、症状を受け入れきれない、ご自身が感じる障がいという言葉のイメージなど整理しきれていない気持ちがあります。
- 診断してもらう
- 薬をもらう
- 手続きを行う
この様な行動を取っていると客観的に見ると受け入れているように感じられますが、本人にとっては、日々受け入れられない気持ちや理解してもらいにくい気持ちを抱いて過ごしているのではないでしょうか?
障害者手帳がアプリ化したことで、実際の手帳を提示していた人にとって、スマートフォンの画面を見せる方が簡単にしやすいのではないでしょうか?
物理的な障がいもそうですが、このような心理的な障がいも取り除いていける取り組みが増えていくと嬉しいですね。
mentalfitもその一助になれるよう、今後も精進していきます。