コラム

ストレスと上手に付き合えていますか?(「認知再構成法」について)

サイキュレ : ストレスと上手に付き合えていますか? 前編 ~自動思考の修正とストレスコーピング  https://shohgaisha.com/column/grown_up_detail?id=1477

2012年の労働者健康状況調査によれば、「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある」と答えた人は60.9%もいたそうです。かなり多いですね。

現代社会は「ストレス社会」と言われるほどストレスを抱えやすく、精神疾患の予防や再発防止のためにも、ストレスと上手に付き合うことはとても重要です。

上記のサイキュレのコラムでは、ストレスフルな現代社会における対処法として、認知再構成法とストレスコーピングが取り上げられています。

今回はmentalfitのスタッフの大村が臨床心理士・公認心理師という専門的な立場、大学院で認知行動療法を専門的に学んできた者として「認知再構成法」について説明させていただきます。

認知再構成法というのは、認知行動療法の技法の1つで、ワークシート等を活用しながら、「出来事・状況」「気分・感情」「自動思考(ふっと自動的に頭に浮かんだ考え)」等にそれぞれ分けて書き出し、整理をしていくものです。整理して書き出す(専門的には「外在化」する)と、自分の外部に置いて対象化することができるようになり、より客観的に眺められるようになります。客観的に見れるようになることは、俯瞰して起きたこと全体について考えることにつながり、その出来事・自分の考え・気分や感情などから少し距離を置くことができるようになります。すると、冷静さや落ち着きを取り戻すことができ、冷静に今後どうしていくかや対処の仕方を検討することができるようになります。

さらに、認知再構成法は、単に自分の気持ちや状況等について整理するだけでなく、「自動思考(ふっと自動的に頭に浮かんだ考え)」や考え方のクセを変え、しんどくなる役に立たない考え方の確信度を低下させ、自動思考や考え方のクセが持つ影響力・支配力をより無力化します。そうすることによって、⑴ 今よりも気分が楽になったり、⑵ より前向きに仕事や課題に取り組もうとする意欲が出てきます。考え方を変える方法はいくつかあり、その効果は科学的に実証されているため、ある程度、誰でも同様の効果が期待できます。

また、認知再構成法のワークシートに書き出す習慣を身につけることによって、「セルフモニタリング(自己観察)の能力」が向上します。セルフモニタリングの能力が向上するということは、自分の中で起きていることに対する「気づき」の能力が高まることにもなりますから、当然、自分の内面で起きていることへの気づきが増えます。自分の状態の把握が上達すると、ストレスへの対処が上手くなっていきますので、メンタルヘルスの状態を維持・向上させることができるようになります。

加えて、認知再構成法は「思い込みが激しい」といった硬直的な考え方の傾向を、より現実に即した柔軟性の高い考え方ができるようにします。すると、1つの物事について、視点等を変えて、いくつもの違った考え方・とらえ方ができるようになります。

この認知再構成法は、書き出す「訓練」をする必要があり、訓練を続けると、整理して考え方を変えることが次第に上達していきます。

mentalfitでは主要なプログラムとして「認知再構成法」を据え、利用者さんに提供させていただいています。認知再構成法によって、利用者さんのしんどさを和らげ、適切な対処等につなげることによってQOL(生活の質)を向上させ、うつ等の再発を予防することを目的としています。