「家族全員が私をバカにするような家でした……」 41歳女性がひきこもりになるまで https://bunshun.jp/articles/-/15617
こんにちは。mentalfitのスタッフの大村です。
今回は上記のコラムを興味深いと思ったので取り上げました。
「中高年ひきこもりの数」
2018年の内閣府の調査で、40歳から64歳までの中高年ひきこもりが「61.3万人」が存在するというニュースはかなり衝撃的でした。
サイキュレのコラムの香取由美さんのケースについて
サイキュレのコラムで取り上げられているケースの香取由美さん (41歳・女性)はご両親からの精神的虐待・身体的虐待・ネグレクト(育児放棄・無関心)を受け、「場面緘黙」になられたそうです。
「場面緘黙」とは??
「場面緘黙」というのは、学校や職場などの特定の社会的場面で話すことができないという状態を指します。
場面緘黙の典型的な例としましては、家では普通にコミュニケーションが取れるのに、家庭以外では全然しゃべれないということが続く状態です。症状の本質には「対人コミュニケーションへの不安がある」と考えられています。
言うまでもなく、子どもにとって「親」は重要な存在です。
子どもが親に働きかけたり、反応したりした時に、親が理不尽な対応をしたり、無視すると、コミュニケーションをする際に不安を感じるようになり、次第に不安を背景としたコミュニケーションの仕方の型を形作るようになっていきます。
香取さんの「支援者」に対する不満や不信感」について
香取さんへの聴き取りの中で「支援者に対する不満や不信感」を持っていることが頻繁に出てきたそうです。
香取さんのご両親は親の価値観を子どもに押し付けることが多く、香取さんはご両親に対して「自分を理解してくれない。大事にしてくれない。」という思いを募らせていったそうです。このようなご両親との関係性によって「誰も自分を理解してくれない、大事にしてくれない」という世界観を持つようになり、誰かと接する前に「この人も自分の意見を押し付けてくるにちがいない」と思うようになって、支援者に対してもこのような固定観念で見てしまっているのかもしれません。
さらに、香取さんが幼稚園に入ったくらいから、妹さんに場面緘黙のことで見下されて嫌がらせをされるようになり、このことに対してご両親は妹さんを怒るどころか、妹さんに加勢し、家族全員でバカにしたとご本人はおっしゃっています。ご家族からのこのような仕打ちは想像できないぐらい辛かったでしょうし、きっと心に深い傷を残されたと思います。
そして、これまでに上記のような経験をされた後で、「自分を理解してくれる、居心地の良い空間を探し求めて試行錯誤を続けられた」のは当然だと思います。
香取さんが考える「ひきこもり増加」の要因について
最後に、香取さんはひきこもりが増えている要因として、軍隊的な学校教育や長時間労働を強いる職場環境など、「個人に裁量権のない社会であること」を指摘されているのも興味深いです。
「自由がなく、息苦しいことを我慢しなければならない空間が広がっている」ことが、ひきこもりの増加のひとつの要因なのではないかというご指摘は興味深いと思います。
「中高年ひきこもり問題」の解決という今後の重要な課題
日本の現代社会において「中高年ひきこもり問題」の解決が求められていますが、今後どのようにしてこの問題を解決していくのかは非常に重要な課題です。