コラム

復職が怖いのはなぜ?自信がない今こそできること。

こんにちは。はやいもので、mentalfitが開設してから約8年となりました。

今日は、休職中の方が感じているかもしれない「複雑な気持ち」について、私の経験と現場で見てきたことをお話ししたいと思います。

具体的には、なぜ体調が回復しても職場復帰が怖いのか、そしてリワークに通うタイミングをどう見極めればいいのか。この2つのテーマを中心に書いていきます。

先日、こんな方がいらっしゃいました。

休職して数ヶ月。薬が効いて、睡眠も取れるようになった。散歩も続けている。朝も起きられるようになった。「良くなってる。もう大丈夫なはず」でも、職場のことを考えると、胸が詰まる。足がすくむ。復職が怖い。

mentalfitではこの8年、何名もの方から同じような話を聞いてきました。

「復職 怖い 理由」は、脳が本人を守ろうとしているサイン

リワークでは、よくこんな言葉を聞きます。

「もう体調は戻ったのに、怖がっている自分が情けない」
「甘えてるだけなんじゃないかって思う」

でも、私はそうは思いません。

体調が整ってきたのに復職が怖い。この矛盾した感覚の正体は「同じ失敗を繰り返したくない」という、脳と心が発している健全な防衛本能だと、私は考えています。

一度崩しかけた心と身体は、そのときのパターンを無意識に覚えています。

・あの上司との会話
・終わらない業務量
・誰にも言えなかった孤独感
・「まだできる」と自分を追い込んだ日々

体調が戻っても、「また同じ環境に戻ったら、また調子を崩すんじゃないか」という予感だけは消えない。それは当然なんです。なぜなら、まだ「盾」を持っていないから。

ここで言う「盾」とは、自分を守るための具体的な戦略とか作戦のこと。どうすれば無理をしないで済むのか。どうやって助けを求めればいいのか。自分がどういう状況で崩れやすいのか。それを言語化し、実践する術を、まだ手にしていない状態です。

だから、怖くて当たり前なんです。

リワークに通うべき「タイミングの合図」とは

私はよく、こんな質問を受けます。

「リワークのタイミングって、いつがベストなんですか?」

この問いに、私はいつもこう答えています。

「一人で整えるフェーズが一段落して、でもまだ職場に戻る自信がないとき。これが丁度いいタイミングなのかもしれません」

休職中に積み重ねてきた努力、「朝起きる練習、散歩、読書、休養」それはとても大切なことです。私はその努力を心から尊重しています。

でも、残念ながら「一人で回復できること」と「職場で持続できること」には、大きなギャップがあるように思えるのです。

なぜ「自信がない時」が丁度いいタイミングなのか

ここで、一つデータをお伝えしたいと思います。

厚生労働省の調査によると、うつ病を経験した人の再発率は約60%、さらに2回再発すると3回目の再発率は70〜80%に上るとされています。つまり、一度回復しても「同じパターン」で職場に戻ると、再び体調を崩すリスクが非常に高いということです。

私がリワークで見てきたのも、まさにこの現実です。

「体調が良くなったから大丈夫」と思って復職した方の中には、数ヶ月後に再び休職してしまうケースが少なくありません。それは本人の努力不足ではなく、「再発防止 働き方」の戦略を持たずに、以前と同じ環境に戻ってしまったからなんです。

逆に言えば、「自信がない」と感じている状態は「このままじゃダメかもしれない」と気づいている状態です。この気づきこそが、次のステップに進むための大切な合図だと、私は思っています。

「実戦」には「実戦の場」が必要

私がリワークで見てきた現実を、もう少し具体的にお話しします。

  • 一人では穏やかに過ごせても、他者との関わりの中でストレスにどう対処するかは別のスキル
  • 自分のペースでできることと、締め切りや期待がある中で自分を守ることは違う次元の課題
  • 「調子が悪くなりそう」を一人で察知するのと、それを周囲に伝えて協力を得ることは全く異なる技術

つまり、「実戦」には「実戦の場」が必要なんです。

そして、その実戦の場が、リワークです。

関連:リワークとは?

リワークの本質は「一生モノの自分取扱説明書」を作ること

この8年、地域の復職支援に関わってきて確信していることがあります。

リワークは、単なる「職場復帰のためのリハビリ」だけではなく、「自分取扱説明書」を、仲間や専門家と一緒に作る場所だということ。

この「自分取扱説明書」とは、たとえばこんな内容です。

  • 自分はどんな状況でストレスを感じやすいのか(引き金の把握)
  • 調子を崩す前に現れる「黄色信号」は何か(サインの言語化)
  • どんな対処法が自分には効くのか(対策の引き出し)
  • どのタイミングで、誰に、どう助けを求めるか(SOSの出し方)
  • どんな働き方なら持続可能なのか(再発防止のための働き方のイメージ)

これを一人で作るのは、とても難しい。

なぜなら、自分のことは自分が一番見えにくいから。そして、言葉にする練習は、誰かがいないとできないから。

リワークでは、同じように休職を経験した仲間がいます。ある方の話を聞いて、「あ、自分もそうだ」と気づくことがある。逆に、自分の経験を話すと、「それ、うまく言語化できてますね」と言ってもらえることもある。

この「言葉にする→フィードバックをもらう→洗練する」というプロセスが、その人だけの取扱説明書を育てていくんだろうなと思います。

「一人で頑張るフェーズ」から「繋がりの中で再構築するフェーズ」へ

私は南大阪という地域で、長らくこの仕事を続けてきました。

この地域には、黙って耐える文化があるように感じます。

「人に迷惑をかけたくない」
「自分でなんとかしなきゃ」

そんな真面目な方がとても多い。

だからこそ、私は「一人でできることは、もう十分やってきた。次は誰かと一緒に、という選択肢もある」という事を知ってもらいたいと思います。

体調が戻ってきた今は、準備ができている状態です。でも、まだ「盾」がない。職場が怖いのは、その証拠です。

その盾を手に入れるために、リワークという場所がある。

ここは「また働けるようにする場所」というよりも、「二度と同じようには調子を崩さないための知恵を手に入れる場所」だと、私は思っています。

もし今、「そろそろ次に進みたいけど、一人じゃ不安」と感じている方がいらっしゃるなら。

それは、リワークに通うタイミングの合図かもしれません。

これまでの努力を否定するつもりは、まったくありません。でも、その努力の先に「仲間と専門家がいる環境」を加えることで、回復はもっと強固なものになるとも考えられます。

もし、少しでも興味があれば無料相談を実施しておりますので、ぜひお声掛けください。

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