コラム

うつ病って治るのか?復職した人が体験した回復過程を振り返る

「うつ病って治るのか?」

 

一番よく聞かれる質問の内容が上記のことのように思います。先に結論をお伝えすると治るかもしれないし、治らないかもしれないということです。

精神的な病気の場合、「治る」と表現されることはなく「寛解(かんかい)」といった症状が一時的に軽くなったり,消えたりした状態を指しています。このまま治る可能性もあります。場合によっては再発するかもしれません。

つまり、治っているかどうか断定はできないが、症状が落ち着いて生活に支障がないのであれば「再発に気を付けながらある程度のことはできる状態」と言えます。

これはおそらく、文章では分かりにくく、感覚的な体験に近いと思います。

 

あなたにとって「治る」とは?

 

治ると言ってもイメージする内容は人それぞれ異なりますし、困っている症状も千差万別です。

そして、治りたい目的も人それぞれ違いがあります。

  • とりあえず、この何とも言えないしんどさをなくしたい
  • 早く仕事に復帰できればそれで良い
  • 薬に頼りたくない

 

これらの上記の例を参考に、あなたは、「治る」ことに対して何をイメージしていますか?

おそらく、どうしたら良いのか?が分からないし、困っていることを分かってほしいと思っている方がほとんどでしょう。

 

その中でも、共通して回復していくプロセスをまずは、一緒に見ていきましょう。

 

大まかに「病気に対する理解」と「自分に対する理解」を抑えておく必要があります。

病気に対する理解

治すためにまず、取り組むのは、病気への理解です。

  • どの様な症状
  • 治療方法
  • 薬の副作用など

一概に「うつ病」や「適応障害」といっても、困っている症状や、不安に感じることは異なります。

多くの状況で心配になるのが「これは、うつの症状なのか、それとも自分の性格的なもの・・・?」といった病気が原因で起こっていることかどうかが分からないことです。

 

特に、全てのことに原因を突き詰めて特定することは難しいですが、「うつ病」の人はどの様な症状が出ることがあるのか?、どんなことで困っているのかを簡単に理解しておくと安心感は違ってきます。

また、多くの人がやってしまうのが「主治医の先生任せ」にすることや「周囲に期待しすぎること」です。

  • Drなら分かるだろう
  • 薬で何とかなるだろう
  • 何でも教えてくれるだろう

といった人任せにしすぎてしますことです。上記にもお伝えしている通り、症状や生活スタイル、困っていることは同じ病気でも人それぞれ異なります。自身も病気や治療に対して、理解していこうとする姿勢が大事です。

 

診察の際に、自分の症状や改善具合を報告して治療の方向性を自身が納得できる形で進めていくことが重要なポイントになります。

病気についての情報や、実際に支援している場所などに赴き、理解を深めることができる環境に行くことも選択肢の一つになります。

自身に対する理解

病気の理解と同時に自身に対する理解も深めていくことが寛解へと近づけていきます。

 

うつ病で休職されても、多くの方が復職をされて再発・再休職をせずに生活されています。

関わっている中で、寛解に近づいているなと感じる人や再発予防に取り組まれているなと感じる人達にはいくつかの共通点があることに気づきました。

それが、以下の3つの特徴になります。

  • 自分の感覚を言葉にして伝えることが増えてくる
  • 対処行動を身につけている
  • 気分や考え方の切り替えを実行している

 

各特徴について、もう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

自分の感覚を言葉にして伝えることが増えてくる

「しんどい」、「疲れた」といった曖昧な表現だけでは、対処しにくいことがほとんどです。これは、習慣的に記録や振り返りを行うことで自分のことを客観的に捉えることができるようになってきます。

また、1人で考えて行動するだけではなく、しっかりと話を聞いてくれて、気持ちを受け止めてくれる相談者に相談することが効果的です。一緒にどの様な感覚なのか、どのことで困っているのかを整理することを手伝ってもらえます。

「この様な相手に伝える」力を鍛えることで、周囲へ説明することやサポートを求めることへの抵抗感が減っていきます。

 

対処行動を身につけている

1つの同じような行動やできれば先送りにしようと回避的な行動を繰り返していると、思ったような気分の変化を感じることは少ないです。そのため、「しんどいので、1日休む」、「出来ないのでやらない」、「雨が降っているので行かない」等の気分本意の行動ではなく、自分の気分が良くなる行動を探すようになり、実践することが大事です。

しんどい状況の時は、取り掛かりにくいですが、認知行動療法の中には、行動活性化というアプローチがあり、1回や1秒でも良いので行動に移すことで行動しやすくなること、やる前とやった後で気分は良くなることがほとんどです。

これらの要素を踏まえて、何をするか、簡単にできそうなこと、行動の前後の気分の変化を試していった人達は、効果を感じて続けていくことで、以前よりも多くの対処行動を獲得している人が多くいます。

 

気分や考え方の切り替え方を実行している

上記と同じく認知行動療法の中には考え方にアプローチする方法もあります。考え方のクセを理解して、「気持ちが沈む考え」や「悪い方向に考えすぎている考え」等の様々な考えをしてしまっている自分に気が付くことができます。気づきが増えてくると、行動をどの様に変えていこうかと「行動を変えていきたい」や「効果的な行動をしたい」と思えるようになってきます。そうなってくると、相談の内容もどの様に、行動を変えていけば良いか改善行動に向けた徐々に良い循環に変化していきやすくなります。

無理やり考え方を変えることではなく、自然と浮かんでくる考え方に気づいたり、落ち着いてから状況を振り返って考えを整理していくことができていきます。

 

以前の方法を繰り返していても、改善しにくいです。そのため、良くなるために改善する、変えることが必要です。

 

何に困っていますか?

ここまで、薬だけでの治療ではなく、気持ちや行動の考えに対するアプローチをお伝えしてきました。

服薬治療だけでも、「うつ病」または「適応障害」が寛解することはあります。

 

しかし、服薬治療を続けている方、またはお仕事をされている方や辞められた方等、事情はみなさん異なります。気になるのは、「この先のこと」ではないでしょうか?

  • 仕事に復帰できるのか?
  • 症状は、この先の生活に支障をきたさないのか?
  • 周囲からの見る目が変わるのではないか?

 

この様な不安や心配を抱えながら服薬治療をされる方も多くいらっしゃいます。

 

あなたが考える「治したい」と考えるのはどんなことでしょうか?

 

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