コラム

「不安」になっても大丈夫!今日から使える不安な気持ちとの付き合い方

メンタルヘルスに関する仕事をしていると、実に様々な悩みを抱えている方々のお話を聴かせてもらえています。

そんな中でも、特に多いのが「不安」に関することです。もし、「不安や心配をしてしまう方」、「自分でもどうにかしたいと思う方」等は、参考にして、取り入れてみてください。

 

全国の20代以上男女を対象に、「日本人の不安に関する意識調査」をセコム株式会社が実施しました。

調査結果はコチラ ⇒ 日本人の不安に関する調査結果

 

その結果、最も不安を感じていることは、以下の通りでした。

  • 1位「老後の生活や年金(25.6%)」
  • 2位「身体の健康(23.7%)」
  • 3位「心の健康(14.5%)」。

将来のことに次いで、心身への不安を考える人が、多いようです。不安は、誰もが抱く感情ということが見えてきます。

不安に思っていることって本当に起こるのか?

私たちの心配事は、どのくらいの確率で実際に起きてしまうのでしょうか?

心配ごとが起きるのは、ロバート・L・リーヒ博士による研究によると、「13%の確率」でしかないのです。13%と聞いて、どう思いますか?

  • え~13%も起こるの!!?
  • そっか、13%か~
  • 87%は起きない不安だと!!

様々な心の声が聞こえてきそうですね。

 

しかも、実際に起きた13%の心配事のうち、80%は「自力で解決できるもの」だと明らかにされています。

 

それを踏まえると、本当に解決できない心配事が起きる確率は2.6%となるわけです。例えるなら、資格試験で「2.6%の確率で合格できます!」と伝えられても、「いけるかも」と感じる人は少ないだろうと思いませんか?

 

不安の正体

つまり、不安に感じることはあるかもしれないが、そのうち約98%は対処できてしまう、ということです。そう考えると、不安な気持ちが軽くなってきませんか?

 

でも、そうは言っても「不安」になってしまう時は、どうしてもあるという方もいるのでは?と思います。

では、その様や不安は、どうしたら良いのか?

 

不安は「消す」のではなく、「実感する」

不安、心配、緊張などネガティブな感情を「消そう」とする人がいますが、その考え方は上手くいきにくいです。なぜなら、ネガティブな感情は消そうとすればするほど大きくなってしまうからです。

 

ネガティブな感情を感じたら、記録を取ることが有効です。先ほど、「心配事は13%しか実際に起きない」とお伝えしましたが、そうは聞いても、やはり心配で不安に思ってしまうという人もいるでしょう。

 

「不安に思っていることが実際には起きない」と言われても、なぜ不安に思うことをやめられないのか?

 

それは「実感がないから」です。

 

実感とは、「実際には起きないという実感」です。

 

実際におきないという実感

なぜ実感がないのか?

それは、「不安に思ったこと自体を忘れてしまっている」からです。

 

不安に思ったことが実際にはほとんど起きないので、不安に思っていたことを忘れてしまっています。忘れたころに、また新しい不安が襲ってくる。

 

そして、また実際に起きなかったから不安に思っていたことを忘れる。また、新しい不安が襲ってくる……ということを繰り返しているうちに「いつも不安」な状態が出来上がってしまうのです。

 

これが、「不安の正体」です。

 

不安になりやすい人は、この不安の連鎖からなかなか抜け出せないのです。

 

そこで、心配事は実際に起きないのだと「実感」するために「記録を取る」という「ジャーナリング」という手法が効果的です。

ジャーナリングのやり方をご紹介していきます。

 

ジャーナリングで「起きない実感」を記録

  1.  心配に思うことがあったら、その心配に思うことを手帳にメモしたり、スマホのメモを使ってもOK)
  2.  それを1カ月間続ける(忘れてしまっても大丈夫です)
  3.  1カ月後、メモした内容(心配に思ったこと)を見返して、それが実際に起きたかどうか○×をつける
  4.  心配に思ったことがどれだけ起きていないかを実感する

この4ステップを実践するだけで、客観的に心配事はそんなに実現しないのだと実感できるでしょう。

余裕があれば、①の心配事をメモする際に、心配の大きさを10段階評価で書いておくとさらに効果的です。

自分の感覚で構わないので「この心配レベルは、すごく心配だから8だな」「これは、そこまで心配ではないから2だな」という感じです。

なぜ、これが不安や心配に対して効果的なのか?  その理由は、私たちがどんな心配に対しても「心配だ」という1つの言葉でしか表現していないことにあります。

 

夜も眠れないくらい心配なことについても「心配だ」。いいタイミングで電車が来るか心配なときも「心配だ」。全部同じ「心配だ」で表現するので、必要以上の心配をしていることが多々あるのです。

 

そこで、記録を取るときに心配のレベルを記載すると、「あっ、これはそこまで心配してないんだ」と実感でき、さらに、1ヶ月後に振り返ることで、「実際に起きていない実感」も感じることができます。

 

不安はなぜ、生まれてくるのか?

  • 「ミスをしてしまったらどうしよう・・」
  • 「来週のプレゼンで上手くできるか不安だ・・」
  • 「クレームが来ないか不安・・・」

ある調査によると、「最近、不安を感じている」という人は、7割以上に及ぶそうです。不安に感じない人はおらず、多くの人が、不安に悩まされているということが分かります。

 

そもそも、なぜ「不安」が起きるのか?

 

人間が緊張、不安、恐怖の感情を持つとき、脳内物質のノルアドレナリンが分泌されます。

ノルアドレナリンは、「闘争か、逃走か」の物質と言われます。

ノルアドレナリンが分泌されると脳が研ぎ澄まされ、集中力が高まります。集中力が高まっている状態というのは、判断を素早くするように急かされています。

 

そして、ノルアドレナリンと共にアドレナリンも分泌され、心拍数が上がり、全身に血液が行き渡り、いてもたってもいられない状態になります。

良く言えば、ノルアドレナリンが引き起こす「不安」や「恐怖」が、ピンチを乗り越えるエネルギーとなるのです。つまり、不安になるということは、脳が「ピンチ」だと警告している状態です。

 

薬に頼る、回避するだけを続けていても、不安に思うことは改善していきません。

 

不安を減らしていくには「行動」しかない

不安は「ピンチ」の警告しているわけなので、早く「何かをしないといけない」わけです。何もせずに、放置すればするほど、不安は強まってしまいます。

警告を出しているのに、避難しなかったり行動しないと、先ほどもお伝えした不安の連鎖が続いてしまいます。

布団に入って、「どうしよう、どうしよう」と悩み続けるほど、不安は強まるのです。多くの人の間違いは、悩みを抱え、不安な状態になったときに、「どうしよう、どうしよう」と考えるだけで思考停止のループに入ってしまっていることです。何か行動を起こさない限り、悩みすぎても問題が解決されることはありません。

そのために、行動に移すことが必要になってきます。

 

いきなり不安が「ゼロ」にはならないまでも、行動することで、不安は必ず軽くなります。「何もしない」と強まるだけなので、何かするだけで気分は変わります。

不安の源であるノルアドレナリンは「行動するためのエネルギー」でもあります。不安というエネルギーを上手く使い、行動を起こす。行動を起こすと、不安は減っていくので、どんどん楽になっていきます。

 

小さな行動から始めてみるのがおススメです。ジャーナリングのような「書く」行動以外に、2つご紹介します。

➀話す

友達や家族とのおしゃべりでも、不安は軽減されます。さらに、雑談によって人間関係を深めることができますし、話をしている中で問題解決に導かれることもあるでしょう。「相談する」や、「カウンセリング」なども同様です。自分の思っていること、考えていることをアウトプットすることが気持ちを浄化させることに繋がっています。

➁体を動かす

 もし、どうしても強い不安があるのなら、今すぐ外に出て、全力疾走してください。かなりスッキリすると思います。不安というのは、「何かをしなさい!」というエネルギーなので、全力で何かに取り組めば軽減、解消していきます。そのために、最も適しているのが、「運動」です。脳内物質のセロトニンが活性化、ノルアドレナリンを正常化させ、ネガティブ感情を消し去ってくれます。

 

まとめ

頭に浮かんでしまうどうにもならない「不安」は、実際には、3%ほどしか起こることがありません。また、「不安」に対して、ほとんどが対策できてしまいます。

 

ここで、ご紹介した以外にも、対処法は多くあります。ぜひ、ご自身ができそうな対策を試してみてはいかがでしょうか?

 

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