転機を乗り越えるには
大阪・岸和田市にある心と行動のコンディションニングセンター「mentalfit(メンタルフィット)」の藤本です。
今年、最後のブログです。
mentalfitではさまざまなプログラムを展開していますが、私はキャリアコンサルタントとして、キャリアデザインという科目を担当しています。
その中の一つ、
「転機の乗り越え方」について、ナンシィ・K・シュロスバーグの理論をもとにお伝えしてみようと思います。
転機と聞いて、思い浮かべる出来事はありますか?ひょっとしたら今が転機の真っ最中という方もいらっしゃるかもしれませんね。
どんな人にも大なり小なり起きる転機。私自身も、結婚や再婚、妊娠や出産、就職や転職などのできごとを経験してきました。
乗り越えなければならないという転機もあれば、良いご縁のように好機となった転機もありました。
転機は大きく分けて次の3種類に分けられます。
・予測していた転機
・予測していなかった転機
・期待していたものが起こらなかった転機
まさか異動になるとは・・・、昇給すると思っていたのに・・・などです。
そう考えると、うつ病などの体調不良は、おおよそ予測していなかった転機にあたることが多いのではないでしょうか。
転機は、次のようにも捉えることができます。
1.人生における役割の変化はあるか?(例:就職して仕事に就く、結婚して家庭を持つ)
この場合は、職業人という役割や、パートナーという役割が増えるという変化=転機です。
2.人間関係における変化はあるか?(例:異動する、親戚が増える)
この場合は、部署異動や結婚により、一緒に過ごす人の変化=転機です。
3.日常生活における変化はあるか?(例:一人暮らしをする、家事・育児等に専念する)
この場合は、これまでと違った生活を送るという変化=転機です。
4.自己概念における変化はあるか?(例:やりがいを失った、家庭を大切にしたい)
この場合は、これまでやりがいに感じていたことをやりがいに感じられなくなったり、仕事が何よりも大切だったけれど、結婚して家庭を大切にしたいと思い始めたりという変化=転機です。
メンタル不調になると、睡眠の質が変わったり、これまで楽しめていたことが楽しめなくなったり、他者から誤解を受けたり、仕事を休職することになったりと、さまざまな変化が起こります。
それらを時間軸で考えれば、そういった変化(いわゆる転機)には
転機の始まり→転機の最中→転機の終わり
があるわけです。どのあたりにいるのかを把握することで、転機にまつわる悩みも解決しやすくなるかもしれませんね。
そして、転機のプロセスは続くと言われていて、次第に生活の一部に統合されるという考え方があります。次第に生活の一部に統合されるということは、見方を変えれば転機を乗り越えていくとも言えるでしょう。
乗り越えるために点検しておきたいのが、以下の4点です。
1.状況の点検(Situation) シチュエーション
2.自己の点検(Self) セルフ
3.周囲の支援の点検(Support) サポート
4.戦略の点検(Strateegies) ストラテジー
私は、上記に加え 2.自己の点検 から 独立させた 5.ストレスの点検 も重要視しています。
mentalfitでは、この5つの点検を一緒に行い、個別支援計画で目標を立て、みなさんと共に過ごしているわけです。
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転機に対して前向きな捉え方が出来るようになるには、相当な時間がかかることもあります。それでも焦らずに、ゆっくりと日々の関わりやプログラムを通して、みなさんと共に進んでいきたい。
キャリアコンサルタントとして、ひとりひとり違う人生だからこそ一人一人を尊重し、ご本人にとってより良い人生を歩めるよう共に考えたい。それが、mentalfitにいる私の使命です。
さらに、3.周囲の支援 の点検をしたときに、mentalfitがサポーターの一つとして思い浮かぶよう、もっと多くの方にmentalfitを知っていただきたいと思っています。
そのために、また来年も職員一同、一丸となって精進してまいります!
長くなりましたが、mentalfitのブログおよびコラムを読んでくださいましたみなさま、本当にありがとうございました。
まだまだ駆け出しの施設ですが、専門家の集まりとして、また支援機関として、より良い情報をお届けできるよう努めてまいります。
今年も一年、ありがとうございました。
来年は1月6日より営業です。見学、体験利用ともにお待ちしております!!
それでは、みなさま、よいお年をお迎えください!